<実施報告> |
5月25日に柏崎に行ってきました。総勢120人という規模も初めてでしたが、柏崎市民の方1500人にサービスするというこの量も初めてで、準備は大変でしたが、何とか事故もなく、市民の方に喜んで頂くことが出来、ほっとしております。 |
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今回のメインメニューはブイヤベースご飯。風評被害が大きいこの地震、できるだけ新潟産の海産物、農作物を使用しよう、そしてお年寄りの方から若い方まで美味しく召し上がって頂けるようにと考えたのがこの料理、柏崎産のお米「こしいぶき」を炊きあげ、そこにブイヤベースをかけるという、フレンチのシェフが考えた温かい一品です。
基本ルセットはホテルオークラ東京の根岸総料理長、チームリーダーは帝国ホテルの田中健一郎総料理長という豪華なコンビで企画、それを東京の5つのホテルが分担して調理しました。ホテルオークラ東京、帝国ホテル東京、ホテルニューオータニ、ザ・プリンス パークタワー東京、ホテルメトロポリタン エドモントの5軒です。
スープ、具材毎に冷凍したブイヤベースは、実施前日の24日に保冷車が5軒のホテルを回って集荷、そのまま柏崎まで走り前泊組が待ち受けるJA柏崎の倉庫へ。当日朝会場に運んで解凍して、すべてを混ぜて完成です。
メインのデザートはシュークリーム。首都圏16軒のホテル、菓子店のパティシエが焼き上げたシューは、当日早朝発のバスに乗せて運び、チームリーダー、パティシェ イナムラ ショウゾウの稲村省三さんが前泊して準備したクリームを現場で詰めて提供、できたてのおいしいデザートです。
温かいショコラショ(ホットチョコレート)と一緒に提供しました。
寿司は新橋しみづの清水氏が柏崎のすし屋さんに入り、柏崎すし商組合各店の皆さんと協力して、築地の仲卸さんに協賛して頂いたまぐろをにぎりました。
そして今回も人気だったのがラーメン、麺屋武蔵、なんつっ亭という都内でも超人気、常時100名位並んでいるラーメン店が出張、なんと両店共同制作のスープというその日だけの特別レシピでご提供でした。準備した500杯があっというまに売り切れでした。
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地震が起きてから10か月後に実施したのは、ある程度落ち着いてから行動するという、会の原則に基づいてのことでしたが、豪雪地帯である柏崎は雪解けまでは動けないので、春から建設工事が着工するので、ちょっと暖かくなったこの時期に、という理由もありました。
会の冒頭、駆けつけて頂いた会田洋柏崎市長からも「この時期に柏崎を忘れずに、こんなに多くの料理人の方が来ていただいたのは本当にうれしい。柏崎市民を代表してお礼申しあげる」とのお言葉を頂戴しました。
その時に参加した料理人一同が立って聞いていたのですが、さすがに120人のコックコート集団がいるというのは大迫力、当事者ながらこれは凄いと思いました。きっと柏崎の皆さんにも喜んで頂けたと思います。
本隊は当日朝6:30に東京駅前からバス2台で出発、夜遅くまで仕事をしていて、早朝起きだと思われる料理人、応援者たちは束の間の眠りを取りながら4時間半かけて柏崎に到着した時には、雨が降ってきて心配しましたが、準備をしているうちに上がりました。
順調に準備が進むうちにも、続々と市民の方がおいでになり長い列が出来、開始時間には500名以上が並ぶという盛況、雨天なのに関心の高さ、期待の大きさをひしひし感じました。
料理ボランティが開始され、料理待ちの列が長くならないように市役所の方たちが受付で整理をしてくださったおかげで、1400人以上の市民の方は整然と行動され、美味しく召しあがって頂きました。小さなお子様は別にして、ほとんど食べ残しがないという状況、その食べっぷりは本当に気持ちが良いものでした。
ご高齢の方、若い方、小さなお子様、ご夫婦、ご家族、お友達、様々な方が楽しそうに、また「美味しいです!」と喜んでお食べ頂く姿を見ていて、半年前から準備していた立場からは感無量でした。
2時間の活動が終了し、後片付け、記念撮影をして帰路につきましたが、いつも思う事は、地元の組織の方の応援が貴重なのです。今回は万代シルバーホテルの杉崎さんはじめ、全日本司厨士協会新潟県本部の皆様が事前事後に本当に献身的なご助力をしてくださいました。
東京組は勝手が分からず、地理も不案内ですが、こういう時こそ地元の方々、その連携プレイが料理ボランティアの力の源です。今回は昨年能登・輪島へのボランティで一緒した金沢の料理人さんたちも2時間半かけて駆けつけて下さり、関東、新潟、石川、そして岐阜からも5時間かけてきた料理人も加わり、各地料理人の連合隊で今回の活動ができました。
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今回は1500人分の料理、120名の移動など、経費面も今までよりかなりかかりましたが、昨年9月に帝国ホテルで実施したチャリティの会の収益金、約299万円を充当して活動ができました。その会にご参加になられこの活動にご協力を頂いた東京の400人以上の方のお気持ちが、今回の活動に繋がっています。
我々の活動はこういう東京の方の気持ちを柏崎の方に、料理やお菓子の提供という形で伝えているわけです。そして今回の活動を再び東京の方に報告し、現在の柏崎がどういう状況なのかを伝えるのも大事な使命だと思っています。
柏崎の方と触れ合い、懇意になりコミュニケーションが良くなると、既存メディア経由では分からない情報が入ってきます。そしてまだまだやるべき事が沢山あることを思い知らされます。まだ2300名もの方が仮設住宅に住まわれています。どうぞご自身で出来る事を考えて、柏崎を忘れずに応援して下さい。
帰路のバス内では、心地よい疲労と、かえって柏崎の方から頂戴した元気を胸に、爆睡していたメンバーが多い1日でした。柏崎を引き続き応援したいと思います。
(文責:渡辺幸裕)
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終了後、スタッフの記念撮影 |
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